広島の歯列矯正

ロス法 2度手間じゃない

もう、広島のえびす講の時期になりましたね。

一応、俳句の季語のように、

強引に時節の言葉から始まりました今日のブログです。



それでは、

『ロス法において、一度開咬にした後に、

その開咬を取り除く治療は2度手間なんちゃうん?』

に回答していきましょう。


と言っても、そんな質問をしたところで、

ロス法の人に

『なに言ってるん?こいつ』と

冷ややかな目線を浴びせられるかもです。


考えれば解ることなのですが、

開咬になる前と開咬になった後は、

軸が異なるのです。

この軸が異なるイメージを説明していきますね。


顎関節において、

本来、関節頭は、滑走と回転という2種類の動きを

複雑に組み合わせて動きます。

でも、その複雑な動きを

図で解説するのは私のポテンシャルでは無理。

ここでは、回転しかしないとしてお話ししますね。


図9
前回と同じく、

関節頭の逸脱が大げさですが、

これがロス法の歯科医師的には、

見せかけの咬合と呼べるような咬合です。






図10
そして、先ほどの状態から

フルクラムの除去をして、

関節頭が正常な位置になって、

開咬になった状態がこれ。




それでは、早期接触を取り除くことで、

治療をしていき、開咬じゃない状態にします。


お互いの治った時の軌跡を表してみますね。

図11
これが、見せかけの咬合の時の

下の歯とオトガイ部の軌跡です。

先程書いた通り、下の顎の動きは、

顎関節頭を軸(中心)としての

回転運動のみを行うと仮定します。





図12
そして、これがロス法である、

開咬になってからの、治療後の軌跡です。

少し絵に不具合が出るので、

上顎の大臼歯を圧下して

治療した風にしてみました←なんて優しいんだ私。






変わらないじゃんって

思わるかもしれませんね。


ですので、

軌跡のみだけを取り出し

重ねてみます。


図13
まずは、関節頭の点の位置です。

フルクラムをとり、関節頭を正常な位置に

戻すというのが、ロス法の哲学ですから、

正常の位置に戻るということは、

関節頭が青から赤に動くということです。

これにより、回転運動の軸(中心)が動きました。


そして、下顎前歯、オトガイ部の軌跡ですが、

ズレています。

回転軸が動いているので、当然と言えば当然。



このズレている度合いの大小は、

取りあえず置いておきます。
(この絵ではズレが小さく見えますね)

大事なのは軌跡が『ズレている』ということです。



『一旦開咬にしてから

正常咬合にするのが2度手間じゃん』というのは、

この下顎の軌跡が一致していればの話です。

つまり、青い軌跡から顎関節頭の位置を戻しても、

青い軌跡になる場合は2度手間って

言えるかもしれません。


ですが、

関節頭が動くという現象があれば、

当然、軌跡はズレるはずなので、

2度手間ではないのです。



青い軌跡を良しとせず赤い軌跡を探している
(↑例えですからね。厳密に言葉を捉えてはいけませんよ~)
ロス法の歯科医師にとって途中で開咬のように咬合が崩れるのは、

必要不可欠なこととなります。

(ロス法以外の歯科医師に例えを出すなら、

外科矯正にて下顎のセットバックを行うことを前提に

治療をしている時に反対咬合をひどくする作業と

いうことになるでしょうか。

ロス法の人にとって冒頭の質問は、

私達にとって『外科矯正(セットバック)の時に

下の歯を前に出しても結局後ろに下げるの

2度手間じゃない?』と同義に近いと思います。)



という事で、私自身がロス法に抱いていた

障壁は自分的には納得できるように

解消させることができました。

そこが、私にとって

今回のセミナーは意義のあるものだったと思います。
(←行く前は嫌々だったくせに(笑))



さて、矯正歯科界には

顎関節はフレキシブルであるという意見も

多くあります。

つまり、生体には、その環境に合う調節能が

あるということですね。


恐らく、ロス法を使用されている歯科医師は、

この調節能が少ない(もしくはほとんど無い)という、

意見側からの治療法となります。


そこのところが、まだ議論の余地があるところですし、

両者の意見ともに100%では無いのかなと思います。


また、ロス法でなくても、

矯正治療中に

顎関節が正常な状態になると言っている歯科医師もいます。

どちらの考え方も解るところですので、

後は、両者がデータを取り揃えて、

見せてくれることにより、

色々と矯正歯科会の意見のウネリは、

変わると思います。


どんな治療法であれ、

理論的ではなく、

実際に顎に負担が無く、

長年安定している咬合であれば、

それが一番大事なことであることには

異論がないところだとは思いますけど。

それを追及していくのが矯正歯科医なんでしょう。

強引に綺麗にまとめようとしても

まとめられなかった(笑)


最後に、

ロス法をやる時、私が必須条件だと思う事書きます。

➀CT
はっきり言って、これが無い場合、

顎の関節の良い悪いって判断つかないと思います。

当院はロス法では無いですけど、

顎の関節が変形していたり窪みがあったりと、

気を付けて矯正治療しないといけないと思いますもん。

今年CTを導入したのに、何人かいましたから。


2003年当時にロス法をシャットダウンした小さな理由として、

『シューラー撮影法』って見方により、

どうとでも言えるじゃん?ってのもありました。


ですので、矯正専門医院でCTが導入された始めた初期には

ロス法の人達が率先して買ってたって噂があるぐらいです(笑)

(※ちなみに当院のCTは、

うちの院長が名古屋の酒井矯正歯科に見学に行った際に、

これ良いなって感じでミーハー的に導入されたいきさつがあります)


➁大臼歯を圧下するメカニクス

結局開咬を治さないといけないのですが、

それがパラタルアーチとかヘッドギアとか

トルクとかでコントロールするというのは

薄い気がします。

それらは、圧下ではなく、他の歯の挺出が大きかったり、

結局、筋肉の動きがそうさせたりって

言われそうですから。

(それはどの流派が行う垂直コントロールでも

同じだとは思いますが。)

『外科矯正』や『矯正アンカースクリュー』が

台頭してきて、ようやく哲学理論に

実践が加わったイメージがありますので、

ここからもっと発展するのかもしれませんね。


➂信念

どうやっても1回咬合を悪くすることに

なりがちです。

当然、患者さんが不安になると思います。

事前に予測した説明と、

その時に、そこから治せるという信念ないと、

歯科医師も不安(笑)

その為にはちゃんと講習会にでないと

きつい様な気がします。


➃ロス法を理解している外科医

ロス法を行っている時に、

垂直的なコントロールの方法として、

外科を選択している場合も多いと思います。


ただ、その時に、その外科医が

正しくロス法の大事なところを理解していないと、

『結局、ロス法でやっていない治療と

結果が一緒じゃん』って

なる気がしてなりません。

理解している外科医に頼むか、

それとも自分で教育して、

理解する外科医を育て上げるか、

どちらかしないと

顎関節に気を使っていたのに、

また逸脱した場所になってしもた等、

なかなか思い通りに

ならないのではないかと思います。




ということで、都合半月ぐらい使い、

説明をしてきたロス法ですが、

そろそろ閉幕としましょうか。

全然、ロス法を取り入れていないので、

完全に机上の空論である私の話をお読みいただき

ありがとうございました。

何度も書きますが、ちゃんと勉強したい人は、

ちゃんとロス法で治療をしている人に

話を聞いてください。


時々、私も経験する、治療の途中で、

一気に顎位が変わること。

それが、自分の治療にプラスに変わる時は、

良しと思えるのですが、

嫌な方向になるときは、やはり苦しいですよね。

治療期間伸びますし。


今回の講演者の誰かが話をしていたのですが、

その急激な顎位の変化は

もともと顎関節がしっかりしていない場合に

起こるので、

最初に顎位をしっかりしていれば、

そのような変化は起こりにくいとのことです。



その急激な顎位の変化が無くなるのであれば、

確かに治療にストレスは少なくなるな~と

若干、心奪われたのですが、

習得には、時間とお金が要りますので、

取りあえずは取り入れられそうなところから

やってみて考えてみることにします。


もしかしたら、グ○―ン○ィー○ドも

セミナー聞いたらもうちょっと理解できるんだろうか。。。

現在の所、シャットダウンしてるんだけど。。。


追伸:この半月のシリーズの記事は、結構時間かけました。

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別に強制じゃないんですけど~(  ̄3 ̄)~♪


ねっ!


Category:広島の歯列矯正 | 12:08 PM

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