久々ですね。
お元気ですか?広島市の矯正歯科医です。
さて、今回は、ファンクショナルレギュレーターについてです。
私の中では『フレンケルの装置』と習っていました。
『機能的矯正装置とは、装置自体は矯正力を発揮せず、
下顎の運動に関与する咀嚼筋、舌骨上筋などの
口腔周囲筋の機能力を、
装置を介して矯正力として利用することによって、
あるいは逆に筋の力を排除することによって、
歯や顎の移動を行う矯正装置である。』
前回のリップバンパーが力を加えるという足し算なのですが、
今回は、引き算の美学。
前に『バクシネーターメカニズム』の話をしましたが、
その話をフルに使う装置です。
結局ここまで引っ張っておいて申し訳ありませんが、
綺麗な図にならんかったorz
教科書と見比べてくださいませ。
さて、
問題が複雑だと理解も難しいので、
今回は、頬からの力が強いということにします。
そもそも、バクシネーターメカニズムの項で
書きましたが、
歯は、隣在歯、対合歯はもとより、
頬と舌、唇の力により、維持されています。
ですので、普通は、頬と舌の力がつりあった場所に
歯が並ぶわけです。
そこで、何らかの要因により、
頬から受ける力と、
舌から受ける力のバランスが崩れたとしましょう。
最初は、見えませんが、
少し時間が経つと、力のバランスが
崩れているので、こうなります。
側方歯群が、内側に押されてしまい、
鞍状歯列弓になってしまいました。
そこで、この装置の出番です。
この装置の頬側にある大きなレジンの部分、
ここが働くのです。
上から見るとこんな感じで、
歯と頬の間に盾みたいに入り込むことにより、
歯が頬側から受ける強大な力を
排除することになります。
こうなれば、舌の弱い力でも、
歯は逆に頬側に向かって動くことが出来るので、
このように、良い状態に戻るという訳です。
この装置も装置の中に動力があるわけではなく、
ただ、単に『盾』としてそこに入れられたものです。
しかし、その装置を入れることにより、
周囲の軟組織(今回は頬粘膜)が変化させられて、
その結果、これまた軟組織(舌)により歯が動くという、
間接的に力を与えた装置になります。
これが機能的装置のイメージです。
そろそろ、『機能的矯正装置』の言わんとすることが、
朧気ながらに理解することが出来ましたかね?
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