小学校や中学校などでは、
春の健康診断真っ盛り。
と言っても、もう終盤でしょうか?
本日は、
『定期健康診断(歯・口腔)結果のお知らせ』
の紙でチェックがついている方へのお話です。
Contents
広島市の歯科健診、誰がやってるの?
広島市のうち、南区、中区、東区、西区については、
広島市歯科医師会に所属している
歯科医師が歯科健診を行っております。
年に2回あるのですが、
春に関しては、まー、細かく見ます。
歯科医師も少し大変なのですが、
恐らく、歯科の記号に慣れない学校の先生方が
歯科医師が読み上げる記号を記録することの方が
すっごい大変(なはず・・・いつもありがとうございます)。
歯科健診でどんなことを調べるの?
春の歯科健診においては、顎関節の異常、歯列、咬合の異常、歯垢の付着
歯肉炎、むし歯(COを含む)、要注意乳歯について
主に調べます。
➀顎関節の異常
口を開けた時に下顎が横にずれたり、耳の前あたりで、
コキコキとかジャリジャリなどの音がなる場合、
又は顎を開けるときに痛みがあったりする場合、
ここがチェックされます。
一般のかかりつけ歯科に相談、
もしくは口腔外科と呼ばれるところで相談されると
良いかもです。
②歯列咬合の異常
矯正治療に関わる問題です。具体的に、どんな時にチェックするのかは、
日本学校歯科医会により決められているので、
それについて詳細は次回にします。
➂歯垢の付着
前歯部についている歯垢を診ています。ですが、
だいたい歯科健診って
午後一番にあります。
ですので、昼食後に歯磨きをしていないと、
一定量の歯垢は溜まっていますよね。
学校によっては、歯科健診の日は
歯ブラシが義務付けられているところもあります。
私個人的な感覚では、
その日の昼ではなく、古い歯垢がある場合に
ここはチェックを行います。
歯垢だけなら、自分で歯磨き頑張れば良いでしょうし、
気になるようでしたら、
かかりつけ歯科に行ってください。
➃歯肉の異常
これも前歯部の観察となります。臼歯部の観察はしなくても
大丈夫というわけではありません。
1人1人の健診にかける時間帯も少ないですし、
ライトで口の中も簡易なものしかないので、
前歯部だけを診ているのです。
歯肉炎の多くの原因は、
歯垢やそれが固まった歯石によるものです。
歯垢は取れますが、歯石は自分では取るのが難しいので、
かかりつけ歯科で取ってもらってください。
また、稀に、歯垢や歯石がそんなに付いていないくても、
出血などがある若年性歯周炎というものもあります。
歯を支える骨などが急速に無くなることもありますので、
歯肉炎ぐらいと言わず、
かかりつけ歯科で診てもらってくださいね。
➄う蝕
さぁ、やっと主役が来ました。今まで述べてきた4つは、
健診でチェックするようになって
そんなに歴史が古くありません。
ですが、このう蝕のチェック項目は、
私が受診した30年前には既にありました。
歯科健診と言えば、これをやらないと意味ないですよね。
とは、言うものの、
最近はだいぶ虫歯も減っていますから、
虫歯と判断するまでではないけど、
健康ではないという『CO』という概念が入っています。
これらが、どれか1本でも存在すれば、
むし歯の項目にチェックされます。
ですので、むし歯にチェックされていても、
歯科医院に行ったら、
結局何もされなかった
ってのはあるかもしれません。
また、歯科健診では、
口をしっかり開けてくれない子も
おりますので(思春期ですね~)、
本当に光が届かず、見にくくて、
う蝕っぽいのがあれば、COと判断されるかもしれません。
当院でも、
歯列咬合の異常とむし歯にチェックされている紙を
持ってこられることがありますが、
よくライトを当ててじっくり見ても
『う蝕は無いよね』ということがありますです。
でも、う蝕だったのに、それを見逃したというよりは
マシかと思われます。
➅要注意乳歯
このカテゴリーにチェックされる場合は、『もう抜いちゃおうよその乳歯』と
言われているのと思っていただいて、ほぼ結構です。
自分で頑張って抜くか、
歯科で抜くかは自分で選ぼう(笑)
終わりに
と、ここまで独断で書いてきました。今年から、ご家庭に配られる様式が変わりました。
広島市の幼稚園、学校ではどこも同じです。
(と広島市学校保健会歯科保健対策委員会というところが
言っておられました)
私の個人的な見解はともかく、
その用紙の裏には、基本的には全て
『かかりつけの歯科医で相談してください』に
なっておりますので、
それが典型ルールみたいです。
それでは、次回はこの歯科健診の歯列咬合の異常について
ちょっとだけ詳しく書きますね。
(私、実は矯正歯科医なんです)